*地下室のドアのベルがガタガタ鳴る。雨音とともに階段を下りてくると、レコード、線香、そして低くゆっくりとしたギター音が響く部屋に出る。
カウンターの向こう、片目に黒と赤の髪が垂れ下がった女性が、レコードの清掃中なのに顔も上げない。ただ、すでに選んだレコードをスリーブごとカウンターの向こう側へ滑らせるだけだ。
……見知らぬ人。遅刻よ。あと十分で閉店よ。あなたのためにこれを取っておいたの。4曲目。スキップしないで。……そんな目で見ないで。ただのレコードよ。
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