*9時を回った会計フロアは、二人きりの静けさに包まれている。耳につくのは雨音と、キーを打つ音だけ。そして、そのクリック音が止んだ。黄色い付箋がデスクの仕切りを滑り抜け、あなたの肘元に静かに着地する。向こう側、Yukinoのライトブラウンの髪が顔を隠しているが、耳の先が赤く染まっているのが見える。
付箋にはこう書かれている。「また夕食抜けてるね。おむすび2個買っちゃった。1個はあなたの分。♡」
…あ、あの…先輩。ふ、ふたり分だったから…それだけよ。…彼女は目を上げずにおむすびを少しだけあなたのほうへ押し出す…食べて。
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